さて、2020年4月。年明け頃には予想もしなかったご時世ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、2月下旬から今に至るまで、出張演奏などのお仕事が全てキャンセルとなり、前回のブログでもお知らせしましたとおり、3月のソロライブも延期となりました。
そんな絶賛引きこもり生活の中、YouTubeにチャンネルを開設してみました。
題して「荻山泊水の薩摩琵琶動画倉庫」。
4月15日現在、5本の演奏動画がアップロードされています。
まず、このチャンネルを開設するきっかけとなった、
新作琵琶歌「肥後のアマビエ」。
最近巷で噂のアマビエさんは、江戸時代に肥後(今の熊本県)に出現し、
「疫病が流行った時は、我が姿を描き写して人々に見せよ」と告げたという、不思議な生き物です。
絵心ない琵琶奏者の私ですが、微力ながらアマビエさんを広めなければ!と謎の使命感にかられて作った曲。その勢いのままに撮った動画です。
撮影場所は自宅のお稽古場ですが…障子、張り替えないとな…。
続きましては「薩摩琵琶『敦盛』より(琵琶うさぎver.)」。
「肥後のアマビエ」をアップしたものの、1つだけでは寂しいかなと記録を辿っていたら、
3年前に撮影した動画が残っていました。
曲は「敦盛」の冒頭、かの有名な「祇園精舎の鐘の声…」の部分ですが、
なぜかうさぎのかぶりもの姿で演奏しています。
このうさぎさん、10年以上前からのうちの住人で、普段は事務机の上に鎮座していますが、時々こうして人間に憑依します。
憑依されるのは主に私です。
同じく過去の記録より、自作の琵琶歌「鉢かづき姫」。
寝屋川のイベントで演奏した時、琵琶仲間に撮影してもらった動画です。
15分近い長尺なので、何とか飽きずにご覧頂きたいと、やたらテロップを入れています。
しかしそのテロップに誤記が発覚、紹介文でお詫びする事態に。お粗末。
後の2つは、大人気のマンガ「鬼滅の刃」に登場する、琵琶を弾く鬼・鳴女(なきめ)のコスプレ動画です。
鳴女の存在を知ったのは、今年1月、私の所属する琵琶団体の新年会の席でした。
マンガに詳しい琵琶仲間Aさんが、
A「でも、今日、誰も『鬼滅の刃』の話しませんねえ」
荻「ああ、今流行ってるマンガですよね」
A「いや、その中にね、琵琶を弾くキャラがいるんですよ。しかも薩摩琵琶」
荻「マジっすか!?」
見せてもらったマンガには、長い黒髪で目を隠し、黒い着物姿で琵琶を弾く女性の姿。
そして、マンガとアニメの絵から判断するに、どうやらこれは薩摩琵琶…!!
この時点で「このキャラのコスプレで演奏したら面白いかも」と思ったものの、天然パーマで小太りの40代女性にはなかなか高いハードル。
でも、乗ってくれる奇特な人もなかなか現れず。
ならば、私がやればいいじゃない。
というわけで、ウィッグや着物を揃え、100均のネイルチップも装着して撮影したのがこちら。
ポイントは、琵琶でうまいこと二重アゴが隠れているところです。
この動画は弾奏のみでしたが、後になって「歌も入れてみたらどうだろう」と考えていたところで思い出したのが、歌人・馬場あき子さんの名著「鬼の研究」。
この中で「日本霊異記」に登場する、人喰い鬼にまつわる流行り歌が紹介されていたんです。
汝(なれ)をば嫁に欲しと誰(たれ)
あむちのこむちの万の子(よろずのこ)
南無南無や
仙(ひじり)さかもさかも持ちすすり
法(のり)申し 山の知識
あましにあましに
(「日本霊異記」中巻三十三「女人悪鬼見點攸喰陬縁」より)
鳴女は、人を喰う鬼のボスに仕える「琵琶鬼」なので、ぴったりの歌ではないかと。
これに節付けをし、一旦しまったコスプレグッズを引っ張り出して、再撮影したのが、こちら。
ちなみに、鳴女の琵琶は、私の琵琶よりも柱(ギターでいうフレットの部分)が1つ多いので、残念ながら完璧なコスプレではありませんが、その辺りはご容赦を。
今後も、自作曲を中心に、ぽちぽちと動画を上げていこうと思っておりますので、チャンネル登録して頂けると、とっても嬉しいです。
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